2023.10.17

2022年インターネット広告に関するユーザー意識調査「定量調査」結果

インターネット上の情報を信頼する条件は、不快/不適切な広告が表示されないこと
メディアへの信頼度は、ユーザーの情報取得同意における一番大きな判断材料

 
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(所在地:東京都中央区、理事長:綿引義昌、以下「JIAA」)は、この度、2022年12月に全国1万人を対象に実施した「2022年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」(以下「本調査」)の結果のポイントをまとめました。JIAAでは、「インターネット広告に関するユーザー意識調査」を2019年から毎年継続して実施し、インターネットメディア・広告に携わる事業者の業界団体としての取り組みがユーザーの理解や体験の向上に資するものとなるよう、調査によって把握した結果を活動の根拠の一つとしています。本調査で得られたファインディングスは次のとおりです。

〈本調査のファインディングス〉
  • インターネットは仕事・勉強とプライベートを合わせると、今回の調査対象である「週1回以上インターネット利用者」の平均で、1日約6時間利用されているという結果となり、改めて人々の生活に欠かせないメディアであるということが示された。
  • インターネット広告については9割強がその存在を許容し、広告をクリックしてサイトを訪問したことがある人のうち7割が有益に感じた経験を持つなど、インターネット広告の存在が多くの人に受け入れられている様子がうかがえる。
  • ユーザーのインターネットに関するリテラシーの状況としては、インターネットを利用する上で自身に関する情報が取得されていることを6割強が認知していることや、表示された広告に対しての能動的な経験(広告の表示設定を変更するなど)を半数近くが持っていることなどがわかった。
  • インターネット上の情報を信頼する条件としては「不快/不適切な広告が表示されないこと」が上位に挙がり、2021年の調査と同様に広告がメディアへの信頼度に影響を与えることが明らかになった。インターネット広告の信頼度は他メディアの広告に比べると引き続き低く、「しつこい/不快」などのイメージが強いことがその要因と考えられるが、改めて「不快/不適切な広告を掲載しないことが、メディアへの信頼向上につながる」ことが確認された。
  • Cookieの許諾条件としては「サイトやアプリを信頼している場合」が最も高い結果となった。今回の調査では、広告がメディアの信頼度に影響を与えることに加えて、「メディアへの信頼度は、ユーザーの情報取得同意における一番大きな判断材料」だということが新たに判明した。

 

〈本調査結果のポイント〉
Ⅰ.メディア(デバイス)への意識 ; インターネットのポジションは?
インターネットは、仕事・勉強とプライベートを合わせると1日の平均利用時間は5時間45分に及び、生活にかかせないメディアとなっている。
メディアとしての信頼度は43.4%で、50%弱~60%強の4大マスメディアには及ばない。
インターネット上の情報を信頼する条件のTOP3は、「有名/信頼できる発信元」「多くの人が使っている」、そして「不快/不適切な広告が表示されないこと」で、それぞれ30%前後。(図1)
Ⅱ.広告への許容 ; インターネット広告に対するユーザーの許容度は?
インターネットは、仕事・勉強とプライインターネット広告の存在を許容する人の割合は92.5%。特に、「サービスの有料・無料にかかわらず、広告はあっても良い」という人が23.9%と、2019年調査から10ポイント以上上昇している。
インターネット広告をクリックしてサイトを訪問したことがある人のうち、70.4%が有益に感じた経験を持つ。
Ⅲ.広告への理解 ; 広告表示への理解と設定変更経験は?
広告が表示されることに関して、「アプリやサイトの運営費用は広告収入によってまかなわれている場合がある」ことを理解しているのは全体の45.3%と、半数近くに理解されている。
広告の表示設定を変更するなど、全体の44.2%が広告表示に対して能動的な行動をした経験がある。
Ⅳ.広告への評価 ; インターネット広告はユーザーにどう評価されている?
インターネット広告の信頼度は22.3%で、他メディアと比較すると低い状況。
「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」といったイメージを全体の35%前後が持っており、さらに「いかがわしい/怪しい」「誤解を招く/虚偽感のある」イメージも20%前後となっている。
Ⅴ.情報取得活用への意識 ; 情報取得・活用の認識状況や、情報取得を許諾する条件は?
情報が取得されていることの認知は63.2%で、過去調査より上昇している。
Cookieの許諾については「サイトやアプリによって判断している」が30.5%。許諾の条件は「サイトやアプリを信頼している場合」が最も高く42.6%で、次に高い「許諾することによるメリットを感じた場合」が21.8%と、20ポイント以上の差がある。(図2)

 

図1:インターネット上の情報を信頼する条件

 
図2:Cookie許諾条件

本調査の結果を通して、インターネット広告の質はユーザーのメディアへの信頼に関わり、メディアに対する信頼がインターネット広告ビジネスへのユーザーの理解を醸成することが改めて確認されました。
JIAAでは今後もインターネットユーザーのインターネット広告に対する意識や利用状況に関して定量・定性調査を通じて理解を深め、ユーザーにとってインターネット上の情報体験・広告体験がより安心・安全で信頼性のあるものとなるよう、ユーザー視点に立った施策に継続して取り組み、インターネット広告の課題の改善、利用環境の向上に努めてまいります。

 

〈2022年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)調査概要〉
調査エリア : 全国
調査対象者 : 15~69才 男女

※PC、タブレット、スマートフォンのいずれかでインターネットを週1回以上利用する方
※全国を8地区に分け、ネット利用者構成に合わせて地区・性年代別に割付

調査方法  : インターネット調査
調査時期  : 2022年12月
サンプル数 : 10,053サンプル(有効回収数)

※過去調査との比較は「インターネットほぼ毎日利用者」(9,423サンプル)のスコアを掲載

 

【一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)について】

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(Japan Interactive Advertising Association:略称JIAA)は、1999年5月にインターネット広告推進協議会として発足したインターネット広告の業界団体です。設立以来、デジタルコンテンツやネットワークコミュニケーションを支える経済的基盤であるインターネット広告の社会的責任を認識しながら、ビジネス活動の環境整備、改善、向上を推進しています。現在、インターネット広告の媒体社、広告会社など314社が集まり、消費者保護の観点に基づいたガイドラインの策定、より円滑なビジネス推進のための標準的ルールの整備や調査研究、業界内外への普及啓発などの活動を行い、インターネット広告の健全な発展と社会的信頼の向上に取り組んでいます。