2014.03.24

報道関係各位

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会

JIAAが「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」と「行動ターゲティング広告ガイドライン」を改定

  • 消費者がより安心して利用できる環境を整えるために、インターネット広告における個人に関連する情報の取扱基準をあらためて提示
  • 行動ターゲティング広告の情報を分かりやすく提供するための「インフォメーションアイコンプログラム」の実施をあわせて推進

一般社団法人インターネット広告推進協議会(所在地:東京都中央区、理事長:秋山隆平、以下「JIAA」)は、インターネット広告において取得・利用されるユーザー情報の取り扱いに関する事業者向けの指針である「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン(※1)」と「行動ターゲティング広告ガイドライン(※2)」を改定し、公表しました。

具体的には、「プライバシーポリシーの作成のためのガイドライン」は、インターネット広告において取り扱われる個人に関する情報が情報価値を持つ(インフォマティブ)と同時に、その取り扱いによっては消費者のプライバシーに影響を与える可能性があることに鑑み、個人情報保護法に定める個人情報以外の情報も含めた「個人関連情報」について取扱基準を示すものとし、会員各社がプライバシーポリシーを継続して改善していくための指針として改定しました。

また、「行動ターゲティング広告ガイドライン」は、「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」に定める基準に従うことを前提として、従来PCのウェブサイトでの行動ターゲティング広告を対象としていた原則を見直しました。昨今のデバイスや広告サービスの多様化や、海外事業者も含めた広告配信経路の複雑化などの現状に鑑み、行動ターゲティング広告の「掲載媒体社」、「行動履歴情報提供社」、「配信事業社」の事業領域ごとに規定を整理し、会員社は該当する事業領域に関するすべての規定を遵守するものとして改めました。

さらに、行動ターゲティング広告での行動履歴情報の利用における透明性の確保と消費者関与の機会の確保のために、広告内や広告周辺に共通のアイコンを表示して、情報の取り扱いやオプトアウトの手段を消費者に知らせるための分かりやすい仕組み(インフォメーションアイコンプログラム)の導入を、JIAAにおいて推奨・実践していくことを新たに盛り込みました。

これらのガイドライン改定の背景には、デジタルネットワーク社会の進展に伴い、国際的にも、また国内においても、インターネットを通じて取得・利用される個人に関するデータの有用性に期待が集まる一方、その取り扱いにおいては、事業者が消費者のプライバシー保護の重要性を深く認識し、安心・安全なネットワークコミュニケーション環境を構築することが強く求められていることがあります。デジタルコンテンツやネットワークコミュニケーションを経済的に支える基盤であるインターネット広告のビジネスに携わる会員社は、関連法令を遵守するのみならず、業界ガイドラインの徹底により消費者個人に関連する情報の取り扱いを適正なものとしていくことが、社会的責任であると考えます。

今後JIAAでは、インターネット広告を安心・安全に利用できる環境を整えるために、会員各社において改定ガイドラインに基づく取り組みを実践し、その評価と改善を継続して行っていくとともに、広く関係事業者にガイドラインの浸透を図り、消費者の理解を醸成する活動を着実に進めていく所存です。

  1. プライバシーポリシー作成のためのガイドライン
    インターネット広告ビジネスのために取得される個人情報および個人情報以外のユーザーに関する情報について、その取扱基準およびプライバシーポリシーを作成する際の要点を提示したガイドライン。2000年8月より検討を開始し、米国のプライバシー保護の取組みを参考に、個人情報保護法および関連する各事業分野のガイドラインを踏まえて、2004年11月策定。2014年2月に改定。
  2. 行動ターゲティング広告ガイドライン
    インターネットユーザーのウェブサイト、アプリケーション、その他インターネット上での行動履歴情報を取得し、そのデータを利用して広告を表示する行動ターゲティング広告に関して、会員社が遵守すべき基本的事項を規定したガイドライン。行動ターゲティング広告の興隆を受けて2008年7月より検討を開始し、米国連邦取引委員会(FTC)や米関連業界団体(NAI、IAB等)の自主規制原則を参考として、2009年3月策定。2010年6月に、総務省の配慮原則を踏まえて改定。2014年2月に再改定。

 

【一般社団法人インターネット広告推進協議会(JIAA)について】
一般社団法人インターネット広告推進協議会(Japan Internet Advertising Association:略称 JIAA)は、インターネットが信頼される広告メディアとして健全に発展していくために、共通の課題を協議しビジネス環境を整備することを目的として、平成11(1999)年5月に任意団体として発足しました。平成22(2010)年3月に一般社団法人化を図り、同年4月より移行。現在、インターネット広告(モバイル広告含む)のビジネスにかかわる企業(媒体社、メディアレップ、広告会社、調査会社、システム・サービス会社、制作会社など)156社が集まり、インターネット広告市場の健全な発展、社会的信頼の向上のために、ガイドライン策定、調査研究、普及啓発など、多方面にわたる活動を行っています。

本件についての問い合わせ先

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)事務局
担当:柳田
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目13-5 NREG銀座ビル7階
TEL.03-6278-8051  FAX.03-6278-8052 E-mail:sec@jiaa.org
https://www.jiaa.org

<参考>

公表資料

PDFファイルをウェブサイトで公開

  1. 「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」全文(2014年2月改定・3月公表)
    JIAA_PPguideline2014_02.pdf
  2. 「行動ターゲティング広告ガイドライン」全文(2014年2月改定・3月公表)
    JIAA_BTAguideline2014_02.pdf

主な改定の概要

1. プライバシーポリシー作成のためのガイドライン
    • インフォマティブデータ
      個人情報保護法に定める個人情報以外の実質的に個人(ブラウザ、端末)を識別し、ターゲティング広告等に活用される情報を「インフォマティブデータ」(インフォマティブ=情報価値を持つ)と名付けて定義し、取り扱いによっては消費者のプライバシーに影響を与える可能性があることに鑑み、その取扱基準を示した。
    • スマートフォンでの情報の取り扱い
      総務省提言「スマートフォン プライバシー イニシアティブ(*a)」を踏まえ、スマートフォンアプリケーション向けの広告配信における情報の取り扱いに関して、プライバシーポリシーを消費者が容易に参照できる場所に掲示するよう努めることとした。また、識別子情報の取り扱いについてプライバシー保護のために考慮すべき要点を提示した。
    • 個人関連情報の第三者提供について
      個人情報保護法に定める一定の要件を満たす場合に限り、本人の同意を得なくても個人情報を第三者に提供することができるとする「オプトアウト」(*b)による第三者提供について、「個人関連情報」にも適用するものとした。
    • 消費者への配慮
      スマートフォンがあらゆる世代に普及している現状から、青少年や高齢者にも分かりやすい形で適切な説明を行うことに留意すべきとした。
    • プライバシー保護のための仕組みの導入
      プライバシー保護の基本原則として広く提唱される「プライバシー・バイ・デザイン」の考え方に基づき、今後、具体的な実施手法である「プライバシー影響評価」等を検討して導入していくことを方針として盛り込んだ。
2. 行動ターゲティング広告ガイドライン
    • 行動履歴情報を含む個人関連情報の取り扱い
      行動ターゲティング広告に関して個人情報を取り扱う場合には「個人情報保護法」に従うものとし、行動履歴情報を含む個人関連情報の取り扱いについては「プライバシーポリシー作成のためのガイドライン」に従うものとすることを前提として、規定を整理した。
    • 事業領域の定義と適用範囲
      広告配信経路が複雑化し、各事業者が複数のサービスを組み合わせ提供している現状に合わせ、各事業領域(掲載媒体社、行動履歴情報提供社、配信事業社)の定義とその事業領域ごとに遵守すべき規定を整理した。各事業領域のうち複数の事業活動を行っている場合には、該当するすべての規定が適用されるものとした。
    • インフォメーションアイコン
      海外事業者(*c)や国内事業者の一部がはじめている「インフォメーションアイコン」(広告内や周辺に表示されたアイコンから情報の取り扱いに関する説明やオプトアウトへの導線を設けるもの)の設置にJIAAとして取り組み、透明性の確保と消費者関与の実質的な機会の確保に努力することを新たに盛り込んだ。
*a
総務省2012年8月7日公表「スマートフォン プライバシー イニシアティブ -利用者情報の適正な取扱いとリテラシー向上による新時代イノベーション-」
*b
個人情報保護法第23条第2項
*c
米国「Digital Advertising Alliance」の自主規制プログラムによる「Advertising Option Icon」等

JIAAインフォメーションアイコンプログラム(仮称)


行動ターゲティング広告をはじめとする消費者の行動履歴情報等を使ったインターネット広告関連ビジネスにおいて、情報の利用における透明性の確保と、消費者関与の実質的な機会の確保のために、JIAAが指定する業界共通の「インフォメーションアイコン」(広告内や周辺に表示されたアイコンから情報の取り扱いに関する説明やオプトアウトへの導線を設けるもの)を活用し、インターネット広告の安心・安全な環境を構築することを目的とするプログラムです。本プログラムの趣旨に賛同し、ガイドラインを遵守するターゲティング広告ビジネスに関わる事業者が、広告サービスごとに順次適用をはじめる計画です。現在、プログラムの運用を早期に開始すべく準備を進めています。