2022.08.22

1.不当表示対策への取り組みの趣旨

近年、インターネット上の広告は、虚偽・誇大な不当表示が一部で横行し、消費者からの苦情も増加しています。このような状況は、消費者の安全・安心な消費生活を妨げるだけでなく、掲載するメディアの評価や信頼の低下を招き、インターネット広告全体の信頼性や価値を損なう恐れがあります。

JIAAは、かねてより消費者保護の観点に基づいたガイドラインの策定、表示適正化に向けた啓発活動や情報共有、会員社アンケート、会議体設置など、他団体や行政機関等と連携のうえ具体的な対応策を実施してきました。その一環として2021年度より「インターネット広告健全化運動」と題して、より実効性のある取り組みを推進しております。

このたび、「インターネット広告健全化運動」の新たな施策のひとつとして、JIAA会員社のインターネットメディアに掲載されている広告を審査し、広告表示が適正に行われているか現状を把握するための「広告モニタリング調査」を行いました。その実施結果がまとまりましたのでお知らせいたします。

2.実施概要

今春、広告モニタリング調査への参加を希望した会員社を対象に、インターネットメディアに掲載された広告を審査。その結果を一覧にまとめ(特に不当と判断された広告については、否認理由や不当表示箇所の画像等を記載)、インターネットメディアを運営する当該会員社に情報提供しました。

◇対 象 JIAA会員社のインターネットメディアに掲載された広告
・デバイス:PC上のウェブサイト
(対象外:モバイル、アプリ)
・対象ジャンル:ニュース、エンタメ等の情報サイト全般
(対象外:SNS、検索、ゲーム、コマース等)
・広告フォーマット:ディスプレイ広告全般
(対象外:インストリーム動画)
◇審査基準 景品表示法や薬機法を参考とし、審査業務の委託先企業が自社の対応実績等に基づき独自に作成した判断基準
(対象外:不快表現、権利侵害等)
◇審査期間 2022年330日 ~ 420
◇参加会員社 [媒体社] 20社 / [ウェブメディア]  52サイト
◇広告件数 1,500件
◇委託先企業 イー・ガーディアン株式会社

3.主な不当表示例と問題点

2022年春期、不当と判断した広告の概要をピックアップしてまとめました。

4.今後について

広告モニタリング調査に参加したインターネットメディアを運営する会員社からは、「次回も参加したい」、「定期的に実施してほしい」等との意向とともに、この取り組みが業界全体の健全化に繋がることを期待する声が多く聞かれました。また、情報提供した調査結果については、「自社内での審査業務」のみならず「広告会社、広告主との営業業務」や「配信会社との提携業務」に活用できるとの評価でした。さらに、「モバイル(アプリ)」等の追加など対象を広げてほしいとの要望も多く寄せられ、今後は審査の対象や基準等の見直しを検討したうえで、継続的なモニタリング調査の実施を予定しております。