2018.05.09
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会
測定指標委員会
JIAA測定指標委員会(委員長:辻 輝)は、5月9日開催の測定指標委員会セミナーにおいて、「Viewable Impression 広告価値検証調査結果」を発表しました。
本調査は、インターネット広告(ディスプレイ広告)には、その視認性(ビューアビリティ)によって、いわゆるブランドリフト(広告認知、商品認知、商品興味関心、商品好意、商品購入意向等の上昇)効果があることを改めて証明すると同時に、ノンビューアブルなインプレッションに比べ、ビューアブルインプレッション※では、どの程度その効果・価値が向上するのかを実証するために実施いたしました。
調査では、PCでのディスプレイ広告において、5万人以上の大規模なサンプル数を対象に、コントロール(広告非接触)群とターゲット(ノンビューアブル接触及びビューアブル接触)群を比較し、精緻な検証を行っています。
その結果、ビューアブル基準※に満たないノンビューアブルインプレッションにも一定のブランドリフト効果が存在することが証明されました。またさらに、ノンビューアブルインプレッションに比べ、ビューアブルインプレッションでは、広告認知で7.9倍、商品認知で3.7倍、商品好意で7.2倍の効果があることなども実証されました。
さらに、調査データを基にした分析では、ビューアブル率※が80%の広告出稿では、20%の場合に比べ、2.7倍の広告認知を獲得することが推定でき、ビューアブル率の高い広告商品にはより高い価値があることを示しています。
一方、広告の表示面積や表示時間もまた、広告価値に強い相関を持っており、ビューアブル基準を上回る広告表示面積や表示時間は、さらに広告効果を高めることができることも証明されました。よって本調査では、単純にビューアブル率だけでは評価しきれない価値が存在することにも注視する必要があるとしています。
ご留意いただきたいのは、本調査結果は、決して従来のインプレッションの価値を否定するものではないということです。調査結果が示しているのは、インターネット広告には間違いなくブランドリフトの効果があり、ビューアビリティ(ビューアブル率)を高めることで、さらにその価値を高めることができるということです。
現在、インターネット広告市場におけるビューアブルインプレッションの占める割合は決して大きくはありません。貴重な資源であるとも言えます。
測定指標委員会セミナーでは、上記の調査結果と同時に、媒体各社がビューアビリティを向上させ、媒体価値をより高めるための様々なTIPSをまとめた「ビューアビリティ向上施策 ヒント集(会員限定)」も同時に発表しております。
貴重な資源であるビューアブルインプレッションを増加させ、高い価値をもった高品質な広告市場を形成するための一助となれば幸いです。
- ビューアブルインプレッション
- 視認可能な広告表示面積や表示時間が一定の基準に達したインプレッション
- ビューアブル基準
- ディスプレイ広告の場合で、視認可能な広告表示面積が50%以上且つ表示時間が1秒以上(IAB/MRC基準)
- ビューアブル率
- ビューアブル基準に達したインプレッションの割合
(ビューアブル率=ビューアブルインプレッション÷ビューアビリティ判定インプレッション)