2022.08.24

1.不適切な広告クリエイティブ対策への取り組みの趣旨

近年、インターネット上では、不当表示の広告だけでなく、不快な画像や誤解を生むような表現で関心を引きつけリンク先に誘導しようとする広告クリエイティブが蔓延り、ユーザーから多くの苦情が寄せられています。このようなユーザーのインターネット体験を損ねる不適切な表現の広告を放置することは、安全・安心な消費生活を妨げるだけでなく、掲載するメディアの評価や信頼の低下を招き、インターネット広告全体の信頼性や価値を損なう恐れがあります。

そこで、広告基準委員会/広告審査プロセス共有プロジェクトでは、広告表現に関して広告関係者が判断を行う際の参考として「不適切な広告クリエイティブ事例集」を作成いたしました。JIAAが定める「インターネット広告倫理綱領及び広告掲載基準ガイドライン」 には、法令遵守のみならず、公序良俗に反する不適切な広告を排除することを規定しています。その趣旨に基づき、日本広告審査機構(JARO)の協力のもと、ユーザーに著しく不快感や嫌悪感、不安や誤認を与えかねないような広告表現を例示し、不適切と判断する理由を参考情報としてまとめたものです。今後は、関係機関や団体等にも協力を仰ぎながら、会員内外への啓発活動を進めてまいります。

なお、JIAAでは、表示適正化に向けた啓発活動や情報共有、会員社アンケート、会議体設置など、他団体や行政機関等と連携のうえ具体的な対応策を実施してきましたが、2021年度からは「インターネット広告健全化運動」と題して、より実効性のある取り組みを推進しております。今春は、会員社のインターネットメディアに掲載された広告表示が適正かを把握する「広告モニタリング調査」 を行い、実施報告を公開いたしましたので、あわせてご参照ください。

2.不適切な広告クリエイティブ事例集

3.概要

◇目 的 不当表示対策の一環として、(偽の)カウントダウン表示で意図的に誤認を与える恐れのある表示例や、身体の局部アップなど不快感を与えかねない広告画像など、不適切な広告クリエイティブを例示し業界として非推奨を示すことで、ユーザーから嫌われる広告表現の改善を促します。
◇内 容 不適切な広告クリエイティブを例示し、問題点の「特徴」や広告審査担当者が不適切だと「判定」した理由を、JAROからの提供によるユーザーからの声なども織り交ぜて解説しています。
・虚偽と思われる広告/つり広告
・局部アップ広告/コンプレックスを煽る広告
・性的な表現/セクハラ広告
なお、本事例集は、直ちに法令違反や業界ガイドラインに抵触するような不当表示ではなく、ユーザーに誤認や不快感を与え、インターネットメディア・広告の信頼を著しく低下させると判断した広告クリエイティブを例示しています。
◇作 成 一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
広告基準委員会/広告審査プロセス共有プロジェクト
◇協 力 公益社団法人 日本広告審査機構(JARO