2017.12.12

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会
ネットワーク広告部会

現在のインターネット広告市場は運用型広告が成長を牽引し、さまざまなサイトを訪れるオーディエンスへ効率よく訴求することが優先された反面、「ブランドセーフティ」(広告掲載先の品質確保による広告主ブランドの安全性)が新たな課題として浮かび上がってきました。
優良なメディアからニッチな媒体まで束ねて取引されているなかで、広告掲載先には違法・不当なサイトが紛れ込む可能性があります。また、ブログやSNS、動画共有サイトなどには多くのユーザーが集まっていますが、ブランド価値を重視する広告の掲載先としては不適切なページやコンテンツも混在しているのが現状です。

私たちは、こうしたリスクからブランドを守り安全性を確保するために、インターネット広告に関わるすべての事業者がそれぞれの立場でできることを考え、取り組んでいきます。
例えば、媒体社等の広告枠を提供する側は、コンテンツやページが公序良俗に反していないか確認する体制を築き、アドネットワークやSSP事業者等の供給する側は、不正なサイトを排除するなど、ブランドを毀損しかねない掲載先へ広告が配信されない仕組みをつくることが必要でしょう。
広告会社等は、事前にブランド毀損リスクに関する広告主への説明責任を果たしたうえでブランドセーフティに対する考え方を確認し、DSP事業者等は、リスクを避けるための手段を提供するなど、広告主が望まない不適切な広告掲載先をコントロールする対応策を整えるべきです。

私たちは一丸となって、ブランドセーフティに対する取り組みを実行したうえで、違法な広告掲載先への広告費の流出を防ぐなど、インターネット広告市場の健全性を維持していきます。

  1. 広告主ブランドの毀損リスクは、広告掲載フォーマットによっても生じえます。JIAAでは、ユーザーが受け入れがたい広告掲載フォーマットを排除しユーザビリティを確保するための検討も開始しました。ビューアビリティ、アドフラウド、今回のブランドセーフティに加えて、このユーザビリティが、インターネット広告の品質確保の4大テーマと認識しています。
  2. 正当な広告掲載先であるかのように偽装した不適切な掲載先に広告が配信されてしまうようなケースは、詐欺的な広告手法であることからアドフラウドとして取り扱います。
  3. 「アドベリフィケーション」という用語は、狭義には「広告掲載先の内容の品質確認」に使用 されますが、広義には「広告掲載先の内容」以外の品質基準の確認を意味することもあり、 誤解や混乱を生まないよう定義を示した上で使用するべきです。
  4. 「不適切な広告が掲載されることによるメディア自身のブランド毀損」は、インターネット広告市場の重要な品質課題であり、これは従来からの広告審査に関するJIAAの取り組みをよ り強化することで、継続的に対応しています。加えて「ユーザビリティを損なう広告掲載フォーマットの利用によるメディア自身のブランド毀損」も同様です。
  5. 以下のような広告掲載先は、一般的にブランド毀損リスクがあります。
    • 法令に違反、または違反するおそれのあるもの。
    • 犯罪を肯定したり、美化したりするもの。
    • 性に関する表現が露骨なもの。
    • 醜悪、残虐な表現で不快感を与えるもの。
    • 消費者等を騙したり、脅したり、欺もうしたり、惑わせたり、不安にさせたりするもの。
    • 他者を一方的に攻撃したり、差別したり、嘲笑するようなもの。
    • その他、ブランドへの広告主の考え方によっては、リスクとなりうるもの。

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参考

[会員限定] 広告掲載先の品質確保に関するガイドライン(ブランドセーフティガイドライン)(2019年4月制定)

広告掲載先の品質確保に関するガイドライン(ブランドセーフティガイドライン)(2019年4月制定)