2024.09.26

「2023-2024年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」の結果公開

~インターネットユーザーへの意識調査から見えるポジティブに受け入れられる広告の姿~

インターネット広告を通じた“良い体験”として、6割を超えるユーザーが
「お得情報」や「セレンディピティ(思いがけない発見)」を挙げる

 
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(所在地:東京都中央区、理事長:綿引義昌、以下「JIAA」)は、2024年2月に「2023-2024年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」(以下「本調査」)実施し、その結果からポイントをまとめました。

JIAAでは「インターネット広告に関するユーザー意識調査」を2019年から継続して実施しており、業界団体としての取り組みがユーザーの理解や体験の向上に資するものとなるよう、調査結果に基づき活動を行っています。

過去の調査で確認されたとおり、ユーザーにとってインターネット広告は「しつこい/邪魔」といったネガティブなイメージが強く、昨今の詐欺広告の発生がそれに拍車をかけており、ユーザーの広告体験を改善するために早急な対策が必要な状況です。
一方で、単にネガティブな印象を払拭するだけではなく、インターネット広告の健全な発展のためには、ユーザーにポジティブに受け入れられる“広告の姿”を把握することも必要です。

そこで、今回実施した本調査では、より建設的な示唆を得るため、「インターネット広告接触による“良い体験”(ベネフィット)を明らかにする」ことを目指して、調査設計から回答結果の分析までを行いました。

本調査で得られた主なファインディングスは次のとおりです。

  • インターネット広告を通じた“良い体験”として多くの人が挙げたのは
    ➢ セールや割引等の情報が得られる「お得情報」(64%)
    ➢ 思いがけない商品・サービスの情報が得られる「セレンディピティ」(62%)
  • “良い体験”のうち、「お得情報」、「セレンディピティ」はインターネット広告への信頼度の高/低に関わらず“良い体験”として受け止められている。
  • 一方、「マッチング」、「タイミング」、「話題」、「クリエイティブ」、「感情」など、その他の“良い体験”では、広告への信頼度の高い人ほど“良い体験”として受け止める傾向が高かった。


【本調査結果に記載したインターネット広告を通じた “良い体験“ について】
 ・お得情報    :セールや割引等の情報が得られる
 ・セレンディピティ:思いがけない商品・サービスの情報が得られる
 ・マッチング   :興味関心のありそうな商品・サービスと出会えた 等
 ・タイミング   :ちょうどその時探していた商品・サービスの情報を得られた
 ・話題      :話題になっている広告に出会えた
 ・クリエイティブ :広告そのものをコンテンツとして楽しめた 等
 ・感情      :広告を見て気分が上がった(面白い、ワクワクした) 等

 

【調査結果のまとめ】
 1.インターネット広告を通じた“良い体験”について

今回の調査で主眼である「インターネット広告を通じて感じた“良い体験”(ベネフィット)」をみると、「セールや割引情報等が得られる」<お得情報>(64.4%)、「思いがけない商品・サービスの情報が得られる」<セレンディピティ>(62.3%)を挙げる人が多く、いずれも回答者の6割以上に上っている。次いで、「興味関心のある企業・ブランドと出会えた」<マッチング>(46.2%)、「ちょうど探していた情報を得た」<タイミング>(43.0%)、「話題になっている広告に出会えた」<話題>(31.8%)、「広告そのものをコンテンツとして楽しめた」<クリエイティブ>(30.0%)が続く。<図表1>

 <図表1> インターネット広告接触による“良い体験”(ベネフィット)

 
 2.インターネット広告を通じた“良い体験”と広告掲載媒体の関係

広告接触による“良い体験”とその広告が掲載されていた媒体の種類をみると、「お得情報」、「セレンディピティ」、「タイミング」が意識されたのは、「検索サービス」の利用時とする人が最も多く、情報収集や調べものの際に接触した広告を通じた“良い体験”が多いことが確認された。以下、「動画共有サービス」、「SNS/ブログ/投稿・共有」が続いている。
一方、良い体験として「マッチング」、「クリエイティブ」、「話題」、「感情」を挙げた人では、「動画共有サービス」の利用時とする人が最も多く、以下、「SNS/ブログ/投稿・共有」、「検索サービス」の順番となる。<図表2、3>

 <図表2> インターネット広告を通じた“良い体験”を意識した広告媒体(ランキング)

 <図表3> インターネット広告を通じた“良い体験”を意識した広告媒体(集計結果)

 
 3.インターネット広告を通じた“良い体験”と広告への信頼度の関係

インターネット広告への信頼度と良い体験の関係をみると、「セレンディピティ」や「お得情報」は広告への信頼度の高/低に関わらず“良い体験”と受け止められている。
一方、「マッチング」「タイミング」「話題」「クリエイティブ」「感情」などの“良い体験”は、高・信頼度ほど“良い体験”があったと受け止められており、信頼度の高/低でギャップがみられる。<図表4>
ユーザーに“良い体験”をより多く届け、インターネット広告をよりポジティブに感じてもらうには、インターネット広告への信頼度の向上を目指すことが重要と考えられる。<図表5>

 <図表4> 広告信頼度と良い広告体験の関係(集計結果)

 <図表5> 広告信頼度と良い広告体験の関係(考察)

例:マッチング(≓ターゲティング)の場合

 
 4.ストレスを感じないインターネット広告の条件

インターネット広告がポジティブに受け入れられるには、広告接触体験においてストレスに繋がる要素を排除することが前提となる。
ストレスを感じない広告体験の条件については、「スキップできる」、「閉じるボタンが分かりやすい」といった操作性を上げる人が多く、ユーザーの表示コントロールに対する配慮が重要なことがうかがえる。
次いで、「何回も繰り返し表示されない」「誇大表現や虚偽でない」「不適切/不快な表現がない」「誤解を招く表現でない」が続き、繰り返し表示される広告への抵抗感や広告内容に正確さ・適切さを求める意識が現れていることが反映されている。<図表6>

 <図表6> ストレスを感じないインターネット広告の条件

 

【調査概要】

調査目的 ユーザーがベネフィットを感じた良い広告接触体験について
その要素(フォーマット・タイミング・マッチング etc)や印象評価・態度変容等を聴取しユーザーにとって「良い広告」とは何か、具体的な示唆につなげる
調査主体 JIAA ユーザーコミュニケーション委員会
調査エリア 全国
調査対象者 15~69歳 男女個人
対象者条件 PC、タブレット、スマートフォンでインターネットを「週1回以上」利用者
調査方法 Web調査
サンプル数 有効回収 591サンプル
割付 住民基本台帳の構成比をもとにウェイトバック集計を実施
レポートに記載する回答者数はWB前、割合はWB後のスコアを掲載
調査期間 2024年2月10日(土)~ 19日(月)

 

【一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)について】

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(Japan Interactive Advertising Association:略称JIAA)は、1999年5月にインターネット広告推進協議会として発足したインターネット広告の業界団体です。設立以来、デジタルコンテンツやネットワークコミュニケーションを支える経済的基盤であるインターネット広告の社会的責任を認識しながら、ビジネス活動の環境整備、改善、向上を推進しています。現在、インターネット広告の媒体社、広告会社など322社が集まり、消費者保護の観点に基づいたガイドラインの策定、より円滑なビジネス推進のための標準的ルールの整備や調査研究、業界内外への普及啓発などの活動を行い、インターネット広告の健全な発展と社会的信頼の向上に取り組んでいます。
〈本件についての問い合わせ先〉
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)事務局
担当:柳田・江村
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目13-5 NREG銀座ビル7階
TEL. 03-6278-8051 FAX. 03-6278-8052 E-mail:sec@jiaa.org
https://www.jiaa.org